実家のほうで地震があったようで。どうも何某です。
こんばんは。
まぁたいしたことないようでよかった。
podcastで落語を最近聴いており、何か他にもないかと探していると、実家のほうの放送局が目に止まる。
IBC岩手放送と言えば、巷で「日本一下ネタが多い放送局」で有名だが、まさかitunesのメニューにあるとは思わなかった。
ちなみに私には、IBCのラジオ番組で、「マスターベーション」「おまんこ」を連呼し出入り禁止になった作家の叔父がいる。
どうやらさしもの日本一でも、直球はまずいらしい。
閑話休題。
さっそく落として聴いてみると、今回のテーマは「コンドームの訪問販売」とのこと。
さすが日本一。とても昼間にやっている番組のテーマとは思えない。
懐かしい声を聴きながらふと高校時代の思い出が蘇った。
当時、夏休み中ということもあり、友人Nの家に入り浸ってはNEO GEOで餓狼伝説スペシャルをやっていた。
当時の田舎の高校生のステータスは立ちブレイクスパイラルが出来るかどうかであり、練習をかかすことは許されない。
ふと外を見ると、やつれた女性と小学校低学年くらいの男の子がN宅に向かって歩いてくる。
Nの家の前に止まり、「ごめんください。」の声に私たち二人が出迎えると、間髪入れずに女性が
女「千葉の九十九里から歩いて来ました。一曲歌わせてください。」
N「おひきとりください。」
いきなり来て一方的に歌わせてくださいとはどういう意味か。
女「そういうわけにもいきませんので、歌います。」
そういうわけとはどういうわけか。
さっぱりわからんが私たちを置いて、女性はバッグからトライアングルを出し、チーンと鳴らした。
すると、男の子がそれにあわせ歌い始める。
主がどうのこうの言っているので、おそらく聖歌の類だろう。
一曲が終わった。
女「いかがでしたか?」
N「素晴らしい歌だった。さぁ帰ってくれ。」
女「ありがとうございます。素晴らしいということでしたので、歌詞を説明させていただきます。この主というのは。。。」
N「いいから帰れよ。」
バッグから変なパンフレットを取り出し、主がどうのこうのとか地獄に落ちるとなんとかだの説明をはじめる。
「帰れ」の言葉はどうやら届かないらしい。
こいつは宗教の勧誘だったかと思うやいなや。
女「この素晴らしい聖書を買っていただけませんか。今ならさきほど歌った歌詞カードもついてます。」
N「いくら?」
女「3万8千円です。」
N「さっき新聞屋にお金払っちゃったからお金ないです。」
女「いくらなら出せますか?」
N「5千円。」
女「じゃ5千円でいいです。」
一瞬にして3万3千円の値引きが確定する。
どうやら聖書ってのはそんなものらしい。
N「その聖書の価値もわからんからいらない。」
女「わかりました。ではもう一度歌いましょう。」
再びトライアングルをチーンと鳴らし、歌いはじめる子供。
女「どうですか!素晴らしいでしょ!」
N「まだ良さがわからない。」
この後、2時間ほどこのやりとりを繰り返す。
つまり男の子は2時間も歌うこととなった。
子「お母さん。もうノド痛いよ。疲れたよ。」
女「この子もこう言ってますし、そろそろ買っていただけないでしょうか。
私たちは千葉の九十九里から歩いて神の素晴らしさを教えて歩いております。
この聖書のお金がいただけないと、次の目的地に行けないのです。」
N「なるほど。でもいらない。」
その言葉を聞いた女性は、イラっとした顔を見せ、子供の手をとり帰ろうとした。
N「ちょっと待て。」
Nは二人を呼び止めると、冷蔵庫から持ってきた伊勢海老の殻に入ったグラタンを子供に渡した。
N「これでも食ってガンバレ。」
なんでそんなものが家にあるのか、また、なんでこの真夏にグラタンなのか。
子供は受け取り一礼して帰っていった。
N「変な訪問販売だったな。わざわざ歩いて来たってのに。子供には悪いことしたなぁ。」
と、微妙な顔をし、Nは部屋に戻って行った。
私は黙って、待たせていたタクシーに乗って次の目的地に向かう二人を見ているしかなかった。